なにかが見えてくる
おじさんの戯言 (たわごと)
健全な組織

先日仕事からの帰り道、おじさんは前の職場の同僚にばったり会った。少しことばを交わした後、その人は、おじさんに聞いてほしそうに、職場のことを話し始めた。

彼が言うには、上司がますます強圧的になっているということである。広く職員の意見に耳を傾けず、自分の方針だけを押し付けてくる。いわゆる独裁政治というものか。国民の声に耳を傾けない今の日本の政治にどこか似ているようだ。

そういう人間が出てくると必ず、そいつに迎合する奴が出てくる。しかも、かなりの数で... 上司の顔色を見て(もちろん、その上司も保身のため本社の上司の顔色を見ているのだが...) 、ころころと自分の考えを変え、金魚の糞のように後についていく。次に、迎合はしたくないが、反対意見をおおっぴらに述べるのが恐いという連中は、ただただ黙って、物言わぬ衆と化してしまう。残念ながら、このような人たちが非常に多い。大別してこの二つのタイプで大半を占めてしまう。そして、そのあとに残されたごく少数の人がはっきりと物を言う人である。そういう人がごく少数であるのはとても悲しいことである。

もちろん、おじさんは自分の思っていることをはっきり言わないと気がすまない質である。おじさんは決して雄弁ではない。多弁でもない。どちらかというと寡黙な方である。些細なことに関してはあまりとやかく言わないが、事の核心に関わるような大事なことに関してはもう黙ってはいられない。理路整然とした意見を述べるのは苦手だが、自分の考えていることを自分なりのことばで述べることはできる。そして異議を唱えるのである。そういう人がもっといてもいいと思う。

組織というのはいろんな考えの人たちが集まって成り立っていて、異なった考えをお互い尊重しながら意見を戦わせ、組織運営していくものである。それでこそ健全な発展を遂げることができるのだと思う。ひとりが独裁し、自分の意に添わない者を排除し、自分に追随する者だけで組織を動かせば、ろくなことにならない。健全な発展がないどころか、破滅に向かうだけである。そのようなことは世界の歴史を見れば一目瞭然である。歴史に詳しくないおじさんでもそのくらいのことはわかる。独裁者とその取り巻き連中の支配する組織に未来はない。未来がないどころか、破滅が待っているだけである。

おじさんはその独裁者の方針に異議を唱え、非難していたのだ。残念ながら、元同僚の話によると、独裁状態は変わらず、変わらないどころか、さらに一層強圧的になっているということである。その圧政のもと、心ある職員はやる気をなくし、取り巻きたちがますます大きな顔でふるまっているそうである。おじさんはもうその職場を離れているが、将来、こういう圧政状態が修正され、再び、健全なる組織に戻らんことを切に願うものである。
(2007)


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